めまい
2019年05月15日、掲載
めまい(眩暈は)当院で最も力を入れている症状の一つです。
私は以前よりめまい、平衡感覚の研究をしてきました。
過去に学会でも発表させていただきました。
このページの一番下に学会等で発表したテーマも紹介しています。
私がめまいで重視するのが内耳の反応点です。
内耳の反応点の確認をおこない、その反応点の変化(反応点の改善)を図っていきます。
めまいは根気よく取り組むことで改善の可能性が高まります。
しかし内耳の中の環境は変わりにくいものです。
だからこそ自己ケアをしっかりコツコツ行うことが理想です。
簡単に良くなるくらいだったら、何かのきっかけで自然に良くなっているはずです。
辛い症状が出た分、しっかり手をかけてやる必要があるのです。
私の感想としてはしっかりと取り組んだ方は良くなっていく方が多いと感じます。
諦めてしまう前にやってみる価値があります。
めまい症状の例
当院に来られた方の話を聞くと脳神経外科を受診した方も結構いらっしゃいます。
そんな方の中で、脳の検査を受けても異常が見つからない方が多く来院されます。
何か画像で確認できればある意味安心なのかもしれません。
しかし原因が分からなければ強い不安を感じてしまうようです。
もう治らないのではないかと気持ちが落ち込んでしまいます。
つらさが長引くと、精神的にもまいってしまいます。
しかし以前に来られた方の中には良くなる可能性はあると気づいただけで元気が出た方もいました。
もう良くならないのではないか・・・という不安がどれだけきついものかを知らされました。
その方はその後しばらくして改善しましたよ。
以下によく訴えがある症状を挙げておきます。
症状の例
・目がグルグル回る(回転性めまい)
・天井が回る
・寝返りをうつとグラグラする
・クラクラする
・フワフワする(浮遊感)
・まっすぐ歩けない
・つまづくことが増えた
・乗り物酔いのような感じが続く
当院での考え方
めまいは、平衡感覚の障害(平衡失調)です。
平衡感覚の間違った信号が脳に伝わることで脳に混乱が生じます。
平衡感覚を正しく感じ取れない状態になっているとも言えるでしょう。
このような場合に、めまい症状が出てくるのです。
脳以外の事にも想像を向けないといけないですね。
平衡感覚の仕組みとしては
・平衡感覚は前庭器官(内耳)で感じ取ります
・その前庭器官(三半規管等)から情報が脳に送られます
・平衡感覚は姿勢の維持や運動の調整に重要な役割をはたします
めまいが起きる時の仕組み
・内耳に障害が起きると間違った情報が送られます
・平衡感覚は左右の内耳にそれぞれある前庭器官で感じ取ります
・左右両方からの信号が脳に送られます
・しかし上の例のように間違った信号が送られてしまう
・本来同じであるべき左右の平衡感覚にズレができてしまう
このように間違った情報が伝えられてしまうのです。
内耳のコンディションに左右差ができると頭(脳)が混乱してめまいを感じることになるのです。
血液の流れや貧血など様々な理由があると言われています。
そんな中で私が重視するのは内耳周辺の環境の悪化です。
立ちくらみやメニエル病、乗り物酔いにもこの内容は関連があります。
当院での鍼灸施術
内耳環境の改善が一番の目的です。
上でも述べましたが、内耳の炎症が左右の平衡感覚の情報の不一致を引き起こすと考えています。
ここでの感じ取り方が間違ってしまうことが大きな問題だからです。
その他鼻の反応点や咽喉(のど)等の状態の改善も図ります。
耳鼻咽喉科のお医者さんはこれらを一緒に診ますよね。
これらは関連しているからなのです。
だから耳だけではなく咽喉や鼻も一緒にお手当する必要があるのです。
これらも非常に大切なポイントです。
手当てのための刺激の量を増やすことを目的にセルフケアをおこなっていただくことが大切です。
注意しておきたいこと
・平衡感覚の信号は直接大脳には送られないため自覚しにくい
・風邪や鼻炎のある方はそちらを早く改善させる
・他の症状を誘発する可能性がある
・改善のためにはコツコツやる根気が必要です
・ふらっとする時は危険なので気をつけて生活する
・自己ケアを取り入れたいものです
過去の学会で発表した研究テーマ
めまいは平衡感覚の障害です。
以下は過去私が発表した研究の紹介です。
「平衡機能検査と内耳点刺激との関連」
「平衡感覚とパーキンソン病の関連」
「平衡感覚の調整と平均台演技との関連」
「パーキンソン病のケア」
「耳垂直下へのローラー鍼刺激が回転負荷後の体の揺れに及ぼす影響」
学会にて (若い頃の写真です)











