反応点治療
2019年05月22日、掲載
当院の施術は「反応点治療」(はんのうてんちりょう)というものです。
恩師、河村廣定博士が考案した鍼灸の施術方法です。
皮膚の変化を捉えて体の状態を把握し、施術の効果判定にも使用します。
鍼灸の流派の一つです。
反応点が現れる
いわゆるツボに鍼をしていくのではなく、良くないと感じた場所に鍼をしていくというやり方です。
簡単に言いますと、皮膚の表面に感じられる変化を感じ取り、病気や症状の原因を探り出してその場所に鍼やお灸を使って刺激するというものです。
もう少し具体的にお話しましょう。
内臓等の炎症、や不調な場所等があると、
人間の体は「ここが良くないよ!」
とお腹の皮膚に注意信号を出します。
これが反応点です。
「内臓体性反射」という神経活動の働きによって皮膚に独特な皮膚の状態として現れます。
この注意信号の場所が施術の重要なポイントになるのです。
皮膚反応を確認して施術するので、人によって鍼灸刺激が必要な場所は違っています。
「△△の症状には○○のツボが効く」というような考え方ではありません。
施術の進め方
具体的には、皮膚に出てきた注意信号(反応点)を指先で探します。
それぞれの内臓のどこが調子悪いかを皮膚が教えてくれます。
実はこの場所が痛み等の辛さの原因になっていることが多いと私は考えています。
次にこれら原因と考える場所(反応点)に鍼やお灸で刺激します。
元になる所をお手当てすることによって症状を出にくくするたのが目的です。
考え方としては原因への対応をおこなうということですね。
これは「体性内臓反射」という神経の働きを利用したものです。
内臓や器官を元気な状態にするということですね。
もう少し言うと内臓や器官の粘膜部分のコンディションを向上させることがねらいです。
その次は、実際にコリや痛み、不快感のある場所に刺鍼をします。
多くの場合は筋肉の緊張や筋膜、皮膚のつっぱりのある部分です。
ここにも注意信号である反応点が出ています。
これを指先で確認し、この場所に施術していくという進め方です。
自原抑制という神経の働きを利用して筋肉の緊張緩和をおこないます。
神経活動の結果として出てきた反応点を手掛かりにして、症状の原因部分と、結果として出てきた辛い症状の両方にアプローチするのです。
反応点治療の魅力
反応点を確認することで体のためになる施術をおこなうことができます。
つまりどうしたらいいのだろう?と私たちが悩むことはないのです。
なぜなら、施術のヒントは皮膚上にあるからです。
また自分自身では気付かないようなちょっとした不調、不調の元も、注意信号を出しています。
この体からのメッセージを感じ取ることで、未病と呼ばれる状態でも施術をおこなっていくことができます。
痛みや辛さがあるから手当てをするのは当然ですね。
しかし、そうならないように早めに対処するのも大切です。
このように普段から体のお手入れをしていくことが、効果的な健康づくりにつながるのだと思います。