パーキンソン病
2019年05月22日、掲載
パーキンソン病は脳内のドーパミンが不足することにより、あらゆる行動障害が引き起こされる病気と言われています。
パーキンソン病が進行してしまうと日常生活もままならなくなり、最悪の場合には寝たきりになってしまいます。
パーキンソン病の症状としては、以下のものが有名です。
他にも表情が乏しくなることや様々な自律神経症状が出ると言われています。
手足の震え
まず、パーキンソン病の初期症状でよく見られるのが手足の震え(振せん)です。何かのタイミングで手足がぶるぶると震え出します。
以前は年配の方の手がよく震えていた気がします。
そのため年齢のせいで震えるんだと思われていた気がします。
しかしそれらはパーキンソン病の症状だったのかもしれません。
代表的な症状の一つです。
歩行障害及び姿勢反射障害
歩行障害としては、歩こうとしても一歩目の足が前に出ない・歩行速度が安定しない・手をあまり振らないといった症状が挙げられます。
町中でもこのような方を時々見かけます。
この病気と闘いながら頑張っておられるんだなあと感じます。
これらの症状は初期段階の症状であり、これが進むとバランスがとりづらくなる「姿勢反射障害」と呼ばれる症状になります。
立ったときに前かがみの姿勢になったり、少し押されただけでも転んでしまったりするのが姿勢反射障害の特徴です。
危険も伴いますのでなんとか症状を軽減したいものです。
筋肉のこわばり
パーキンソン病によって、筋肉が固縮することがあります。筋肉が固縮することによって、肘・手首・指・足など、あらゆる関節が曲がりにくくなります。
病状が進行すると、歩行や物を掴むなどの動作がぎこちなくなるほか、手足のしびれなどを感じることがあります。
しびれについては筋肉の緊張による結果であると考えています。
筋肉のこわばりですが、最初は患者さんご自身が日常生活で気づくことは少ないのでご家族や周囲の方から言われて気づくことも多いようです。
字が書きにくくなったり、細かい作業が難しくなったりします。
当院では、平衡感覚とパーキンソン病の関連に着目して治療をおこなっています。
他の施術家はあまり重視していないように思います。
しかし私は非常に大切な考え方のポントだと思います。
一般的な考え方と少し違うのはドーパミンの消費について注目していることかもしれません。
当院の鍼灸治療では原因となる欠乏がどうして起きるのかを推測し、そのためのアプローチを重要視しています。
当院での鍼灸治療の考え方
当院では平衡感覚、内耳環境に着目します。
これらのケアをおこない症状が安定しているケースが過去にも結構あります。
ドーパミンの消費の観点から症状を考えると上でも書きました。
平衡感覚の不調が、その信号の伝達物質であるドーパミンを大量に消費させているのではないかと推測しています。
そのため運動や動きの調整に必要なドーパミンが不足してしまうことにつながるのではないかと考えています。
この枯渇に近い状態が病気の成り立ちに関係している可能性があると私は感じています。
それを防止するための方法として、平衡感覚に注目してその改善を図っていきます。
私の提案
パーキンソン病については恩師の河村廣定博士と長年研究をおこなってきました。
その経験から、患者さんには自己ケアをお勧めしています。
鍼灸治療と自己ケアを合わせて効率を上げるのが目的です。
とにかく刺激の量を増やすことが重要なのです。
iPS細胞の研究から、病気克服への可能性が出てきたとも言われます。
そうなれば本当に喜ばしいことです。
しかし、何もしないで待っていることはありません。
積極的に今から出来ることに取り組んでいただけたらと思います。
ちょっとだけ頑張って簡単に症状が安定することは残念ながらないと感じます。
コツコツと継続して体の管理をしていくという考え方で取り組むことが大切だと感じています。
研究発表
過去にこのような研究発表をおこない、全日本鍼灸学会でも発表をおこなっています。
「平衡感覚とパーキンソン病の関連」
「パーキンソン病のケア」
「平衡失調がパーキンソンの発症に関与する」